箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

 ふと、青い空が視界に入るとマークはついつい見上げてしまう癖がついていた。

 ベリルは幸せに生きているのだろうか、世界を回っているのだろうか、捕まってやしないだろうか……。

 それを考えると、一年がとても長く感じられた。






 ──あれから三十年、マークは妻と共に郊外で静かに暮らしていた。

 この国にはさしたる観光名所もなく、発展しているのは中心にある首都くらいだ。

 他は古い建物が多く、人々はほのぼのと生活している。

 彼の住む町も例外ではなく、典型的な外国の田舎町といった風景が続く。

 建てられている家屋は、周囲の国々の影響からか多様性が見られた。

 ほぼ平野しかない国土には点々と林と森が広がっており、自然豊かである事が唯一の自慢と言ってもいい。