君は自由になったんだ。

 その足で歩き、生まれたこの世界をその目で見て、肌で感じてくれ。

 君の存在が善か悪かなんて、僕たちが決めることじゃあない。

 君が見たいと言った世界は、君の目にどう映るのだろうか。

 ここにいては活かせない知識は、君のためになるだろうか。

 君が自由を手に出来たと、僕は信じている。

「君には、ここは狭すぎる」

 咲き乱れていたはずの花があった中庭で、踏み荒らされて白い花だけが摘み取られた花壇を前にマークは晴れ渡る青い空を仰いだ。