少なくとも、僕たちの世界では、君が逃げ延びた未来が起こった。

 政府は平静を装っているが、根底では君を恐れている。

 それだけの知識を身につけさせたのだと解っているからだ。

 でも、僕は信じているよ。

 君ならばきっと、その知識を正しいことに使ってくれると──

 ベルハース教授、あなたたちはここまで予測して彼の名を伏せていたのだろうか。

 それとも、考え得るだけの可能性の中の一つだったのだろうか。

 真意はもうわからないけれど、あなたたちの犠牲を僕が無駄にしてはいけない。

「僕たちは、ずっと友達だ」