箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「花?」

 しおれた小さな花が、遺体の側に無造作に落ちている。

 敵の服にでもついていたのだろうか。

 いぶかしげに思いつつ、そっと手にとって四方を眺める。

 息が詰まるような光景に、微かな白い光が灯されていた。

 遺体の側に落ちている白い花が、殺伐とした世界に癒しを与えているようだった。

「まさか!?」

 つかの間、いぶかしげに表情を硬くしていたマークは目を見開き再び走り出した。

 さしたる運動をしていない体はすぐに限界を感じ、切れる息をなんとか整えながら建物の南に向かうと、現れた大きなくぼみが彼の足を止めた。

 明らかに爆発の跡だ。そこには、いくつもの白い花が乱雑に散らばっていた。