私が死ぬのは当然の報いだ。

 今まで未来のためだと、どれほどの命を犠牲にしてきたか。

 しかし、ベリルだけは我々の犠牲にはさせない。

 親らしいことなど、なに一つしてやれなかった。

 お前は我々と何ら変わらないのだとも言ってやれなかった。

 最期くらいは息子のために胸を張りたいじゃないか。

「貴様たちが求めるものなどここにはない!」

 威厳のある声は額を貫いた銃弾で途絶え、倒れた老人の死体を男たちが無表情に越えていく。