少しでもデータが残っていそうな部屋を探して破壊していく。

 聞こえてくる銃声に怯えながらも、投げ出すことなく消去作業を続けた。

 他の者とは連絡はつかないが、自分がどこを担当すればいいかは解っていた。

「ここで最後だ」

 ベルハースは、自分の担当する部屋は終えたと安堵する。

 きっと、他の者も成し遂げてくれているだろう。

 背後から迫る足音を聞きながら、ゆっくりと振り返った。

「貴様たちはなんだ」

 無言で銃口を向けられても、ベルハースは険しい表情を崩さず男たちを睨(ね)め付けた。