「すまなかったな」

 息も絶え絶えのアリシアに、ブルーはぽつりとつぶやいた。

「あなたは……何も、悪く、無いのに?」

「もっと早く気付くべきだった」

 教え子に先に気付かれるとは俺もヤキが回った。

 あいつ一人を逃がすのが精一杯だとはな。

「悪いが、ここで足止めさせてもらう」

 敵が距離を詰めてきた事を確認し、起爆装置のスイッチを握りしめる。

 少しでも多く巻き添えにしてやるさ。

「十分に集まって来たな」

 我ながら情けない作戦だよ──笑ってスイッチを押し込んだ。