箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「年の差なんて気にするな」

 言っている事がよく解っていないベリルを一瞥し、ブルーは準備を促す。

「合図したら走れ」

「は、はい」

「アリシア立つな!」

 思わず腰を浮かせたアリシアに叫んだが、頭部を銃弾が貫き頽(くずお)れる姿に誰もが声を失った。

「アリシア!」

 突然のことにベリルは、ブルーの声を耳にしながら倒れていくアリシアを見つめていた。

「ベリル……。一緒に行けなくなっちゃった」

 喉を詰まらせる血に咳き込みながら笑みを浮かべる。

 痛みを感じていないのだろう、安らかな表情で少年を見上げる。

 ベリルは静かに彼女を抱きかかえた。

「ああ……」

 ベリルの腕に中にいる。

 なんて嬉しいんだろう。

 アリシアは間近にある少年の顔に口元を緩めた。