箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「相手は研究成果が目的だ。重火器を使うことは無いだろう。ここに戦力が集中しているため、奴らはここに目的のものがあると踏む」

 これで多少はベルハースたちの時間を稼ぐことが出来る。

 そして、もし可能ならば逃げのびて欲しいと願った。

「ベリル」

 ブルーは深く息を吸い込むと、バリケードの後ろを指差した。

「行け」

 驚くベリルにさらに、

「お前の存在が善か悪なんて、俺にはどうだっていい。だが、お前は死ぬな」

「しかし──っ」

「お前は人類の理想であり、象徴なんだよ。だから、死ぬんじゃない」

 他人にはお前がどう映っているのかは解らない。

 だが、俺にはそう見えている。

 ブルーは諭すように、ゆっくりと発した。