箱庭の螺旋-はこにわのらせん-


 ──ベリルは体に伝わる振動や音から状況を確認しつつ、教授たちを誘導しながら進んでいた。

 しかしふと、その足が止まる。

 この通路の先に、言い表せないプレッシャーがある。

「どうしたんだね。早く逃げないと」

「だめです。戻って」

 五人ほどがベリルの言葉も聞かずに通路を曲がった。

 本当なら連れ戻したい所だが、体が先に進む事を拒んでいる。

「こちらへ」

 連れ戻す事を諦めて背を向ける。

「彼らはいいのかね?」

 一人が問いかけた刹那、連続した破裂音と叫び声にその場は凍えた空気をまとう。

 あの向こうには何があるのか、何者がいるのかなんて考えたくもない。