確かに、人工生命体はとんでもない研究成果だろう。

 しかれども、ベリルは人となんら変わりない。

 これが生物兵器というのなら、襲撃してまで奪う価値はあるのかもしれないが。

「全てが遅すぎた」

 こうなってしまっては施設を放棄し速やかな撤退が最善の策だ。

 だが、それすらもすでに手遅れだろう。

 とにかく動け──ブルーは奥歯を噛みしめてモニタルームをあとにした。