森の中に隠されているということは襲撃する側にも有利に働く。

 当然だが、国はこの施設について公(おおやけ)になることを嫌っている。

 救援がくるのは──

「終わったあとだな」

 かすれた声でつぶやいた。

 どう思案しても勝算が見い出せず、悔しさが込み上がる。

 ならば、せめてベリルだけでも無事に逃がしてやりたい。

 目的が彼とはいえ、その年齢や容姿まで刻銘に知っているとは限らない。

 そもそも、襲撃してまで手に入れなければならないものなのかという違和感がブルーの脳裏に過ぎっていた。