警報が鳴り続けるなか、

『侵入者多数、いずれも武装しているもよう。ただちに避難もしくは、対抗措置をとってください』と放送が繰り返される。

 ブルーは、いくつもの監視カメラの映像を見つめて舌打ちした。

 顔を隠し、暗いミリタリー服に武装した連中があちこちから侵入している。

「くそっ、囲まれている。救援は──無駄か」

 国家機密の施設に大々的な救援を送り込む訳にはいかないだろう。

 隣が軍の施設とはいえ、上からの命令がないかぎり動けない。

 しかも運の悪いことに、今日は兵士のほとんどが出払っている。

 要人が祭典に出席するとかで、その警備にあたっているのだ。

 他の基地からもここは離れている。

 あえてこの日を選んで襲撃してきたのだとすれば、ある程度の内情を知っている相手ということになる。