箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「ここは危険です。速やかに軍の敷地に移動してください」

 専門家たちが集まる部屋に飛び込むように入ってきたベリルは、語気を強くして外に促した。

 その手にはライフルが握られている。

「なんだね?」

 部屋にいた教授たちは避難訓練か何かだろうかと、やや息の荒いベリルを見やる。

 しかし、そんな連絡は受けていない。

「どうしたの?」

 アリシアはいつもと違うベリルをいぶかしげに思いながらも、表情を険しくしている彼に尋常ではない事があったのかと体を強ばらせた。

「良くないものが来る」

「え?」

 その刹那、警報が五月蠅く鳴り響き、一同はようやく事の重大さに気付いた。

「一体、何が来るというんだ?」