箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

 二メートルほどの間隔を空けて向き合い、互いに構える。

 数秒の沈黙のあと、合図も無しに同時に駆け寄った。

 ブルーの体術は主にマーシャルアーツだが、ベリルはそれを自分なりにアレンジしたものだ。

 体術は他にも多数を学んでいて、そのなかで自分に合った動きを実戦向きに改良を加えているらしい。

 その柔軟性と応用力にはブルーも脱帽していた。

 体格差から考えて、小さいベリルが受け止める衝撃はブルーよりも大きい。

 それだけベリルが不利という事に他ならない。

 だけれども、ベリルはそれを軽減、あるいは己の力とするための動きを模索し身につけ始めている。

 ブルーとは違い、ベリルは柔軟な体を活かし流れるように打ってくる。

 そのしなやかな動きに、油断すると足下をすくわれそうになる。

 ベリルの体格はまだ細いながらも、充分に通用する体術を使いこなせるようになっていた。