箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「それで、その子どもはどこだ?」

 ふいにハロルドは険しい面持ちで問いかけた。

「まあ焦るな」

「まだ二歳だと聞いたが、すでに喋っているのか?」

 ハロルドは身を乗り出すようにベルハースの顔をのぞき込んだ。

「喋ろうとはしているよ。だが、どう話していいのかを悩んでいる感じだな」

 彼の言葉にハロルドは目を見開いた。

「は、早く会わせてくれ!」

「そう急ぐなよ。ほら、そこの部屋に──」

 ハロルドは指し示された部屋に足早に向かった。

 一枚扉が音もなくスライドし、白い床にペタンと座り込んでいる子どもの姿が視界に入る。