箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

 アリシアは、少しでもベリルと仲良くなるために試行錯誤を繰り返していた。

 自分に出来ることは何だろうと考えた結果、お菓子作りだと決めたものの、何度もチャレンジし何度も失敗してばかりいる。

 本当にお菓子作りのセンスが皆無なんだわと情けなくなってくる。

「そういえば……」

 ベリルは料理も勉強しているんだわ。

 栄養学の権威が施設にいるんだった。

 世界に名を馳せたシェフにも教わっているんだ。

 アリシアは深い溜息を漏らし肩を落とした。

 裁縫も、編み物も、私はてんでだめで、ベリルはそれすらも専門家に教えを受けている。

 彼にとっては「専門家の教え」が政府からの仕事なのだけれど、それを全て受けてなおかつ、しっかりと吸収しているのは驚きだ。

「私のお菓子なんかより、彼が作った方が美味しいに決まってる」

 もうこんなこと止めようかな。すっかりしょげて、冷たいステンレスにつっぷした。

「そうか。だったら──」

 いいことを思いついた。