箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「何か?」

「いいや、なんでもない」

 半ば震えながら声をかけ、ベリルのことで互いに協力しあおうと話した青年は徐々に熱く語り始め、最後には硬くブルーの手を握った。

 それほどにベリルの事を考えているのだろう。

 ある意味、視察員であるマークは外の人間だ。

 一人でもベリルの理解者が外にいることは、ブルーにとっても安心できることだった。

「大丈夫ですよ。好戦的にはなっていません」

「あっ、いえ。そんな風に考えていたんじゃないんです」

「ええ、解っています」

「お引き留めしてすいません」

「いや。これからもベリルをよろしくお願いします」

「はい」

 アリシアは、まるで自分の子供のように発したブルーの背中にいぶかしげな表情を浮かべた。