しかし、こうして学びの中で楽しむものがあるのならば、俺が嘆く意味などあるのだろうか。

 今は自分もベリルと同じく外に出られない状況だが、始まりが異なる時点でなに一つとして計れるものじゃない。

 この歳になってもベリルの身長は大幅に伸びる気配を見せない。

 それはデータからも明らかであり、せいぜい百七十三か四で止まるだろうと研究者たちは予測していた。

 身体能力についてはさらに伸びる事が示され、プロジェクトチームの面々も驚きを隠せない。

 政府からは続けて人工生命体の作成を続けるようにと指示を受けているがベリル以降、成功する兆しはまるで無い。

 数ヶ月前に報告したベリルの身体データを見てから政府の命令が強くなった事をブルーも知っている。

 政府はこれまで以上にベリルの教育に熱を入れる事だろう。

 その全てをどう使うつもりなのか。

 ブルーもベルハースも不安を心に抱えた。