伏せろと言われれば人は言いたくなる。

 君がどんな人間かも確かめたかった。

 ベリル・レジデントはあの子の人としての名だ。

 学ばせる事が政府の実験だとしても、勉強はあの子のためにならなければならない。

「我々は君に賭けたんだ」

 人間関係もまた、大切な学びの一つでもある。

 我々は機械を育てている訳ではないのだ。

「ありがとうございます」

 マークは本当に感謝したい気持ちだった。

 教授たちもまた、公私を別けてベリルに接していたのだ。

 それは実に巧妙に、隙を見せればそこからほころびが生まれる。