ベリルが十四歳になった頃には、マークとはうち解け合う仲となっていた。

 視察としては逸脱しているが、マークは公私を上手く使い分けた。

 ここから出ることが許されない少年に、せめてもの献身だと慎重に行動していた。

 上からの指示は絶対だ、視察を変更すると言われれば従うしかないマークにとって、毎日が緊張だった。

 特に視察後の報告には気を揉んだ。

 報告内容によって、いつ担当から降ろされるか解らない。

 それはある意味、友達で居続ける事への執着ともとれた。