みんな不器用なんだなと口角を緩めて料理を堪能する。

 キャビアやフォアグラが使われていてマークは幸せな気分になった。

 ケーキに目をやると、柔らかなスポンジに真っ白な生クリームがコーティングされていて、赤い苺が均等に乗せられている。

 さらに琥珀色の飴細工が綺麗にケーキを飾っていた。

 シンプルなのに、とても特別に感じられる。

「ベリル、誕生日おめでとう」

「ありがとうございます」

 渡されたプレゼントに少年はやや戸惑いながら笑みを浮かべた。

 こんな風に、面と向かって祝われるのは初めてなのかもしれない。

 マークは、ようやく今日のこの日を実感出来た。