「食べようか」

「はい」

 ベリルは変わりない声色で応えたが、今日は朝からいつもと違っていた事に気がついていたようだ。

 いや、事前に講義が一つ増えた時点で何かおかしい事に気がついていたのかもしれない。

 そうか、教授たちはベリルをちゃんと愛していたんだ。

 ベリルもそれを感じている。僕がそれを見ていなかっただけなんだ。

 本当は、とても小さな欠片があったはずなのに自分の感情に囚われて見つけられなかった、見ようとしていなかった。