「えーと、次の視察は~──あ」

 ベリルに会える日はいつだったかとカレンダーを眺めていたマークは、見えた日付にふと気がついた。

 確か人工子宮から出されたのは──

「そうだよ。うん」

 五月のカレンダーを確認するように指でトントンと弾き、笑顔で外に向かった。

「あら、どうしたの?」

 玄関で花を生けていたローラが尋ねる。

「うん、ちょっと出かけてくるよ~」

 振り向いた妻の頬に素早くキスをして足早に出て行った。