「あなたのおかげです」

 この世界をいくつか知る事が出来ました。

 そこには、純粋な感情だけが見て取れた。

「そうか。良かった」

 少年の無邪気な瞳にホッとした。

 そして、ほんの小さな事でもベリルが望むなら僕はそれを出来る限り叶えていこう。

 彼の喜びは僕の喜びでもあるのだから──遠ざかる研究施設をヘリから見下ろし目を吊り上げた。