俺、湊、17歳。
幼馴染だった喜嬉とつい先ほど付き合い始めた。
ずっとずっと、物心ついたときから喜嬉が好きだった俺。
正直まだ夢じゃないか、と思う。
いつか、喜嬉の準備ができたとき、俺から告白しようと決めていた。
そんな決意は喜嬉を前にすると、いとも簡単に崩れた。
いつもマイペースで、少し抜けてて…。
自分の可愛さに気づくどころか、自分の容姿に興味がない喜嬉。
そんな喜嬉に俺はいつも振り回されてる。
喜嬉にはそんな気はナイんだろうが。
って、喜嬉っぽく喋るの辛ぇ〜‼︎
喜嬉はあの喋り方だからカワイイんだけど…。
俺はムリ‼︎
「ねぇ」
「ん?どうした、喜嬉?」
「知ってた?」
「何を?」
「ぶりっ子って力持ち」
うん、喜嬉はこんな子だ。
イマイチ言ってる意味がわからない。
…ぶりっ子が力持ち⁇
喜嬉を閉じ込めたのって…
「ぶりっ子達に何かされたのか⁇」
「別に」
「じゃあ何で力持ち⁇」
「あのね、気づかない内に手足縛ってガムテープ貼られた。すごいよね」
…何もされてない、ことねぇじゃん‼︎
手首に若干後が残ってるし…。