「うわ…紡君酷いよぉ…。いくら美味しくないからって吹き出すだなんて…」
「違う!飯はムカつくくらい美味い!吹き出したのはお前が変なこと言うからだろ!?」
「アハハ、ありがとう!それで?変なことってなぁに?」


嬉しそうに、楽しそうに笑う彼女。
今確信した。こいつは小悪魔だ。


「ねぇ?な・あ・に?」
「あー!うるさい!高校生にもなって間接キスくらいで騒ぐなっ!!」


確かに、俺は弁当箱と一緒に渡された“彼女の箸”を使って今食べている。
だけど小学生ならまだしも、高校生になってまでそんな些細な事で騒ぐ必要なんかない。現に、東京にいたときなんか、クラスメートの誰しもが平気で異性同士で飲み物の交換をしていた。
だからこんなことで騒ぐ方が間違っている。そう思っていた。
思っていたんだけど…