「なんで?」
「神がいようがいまいが、俺が生きる上で何の関係もないから」
「…困った時の神頼みとかしない?」
「しない。困った時には、まず自分で解決策を考え、それでも駄目なら誰かに助けを求める。俺はそう親父に教わった」
俺が親父に教わったことは数多い。
その中でも特に共感出来るのが、神頼みはするな、ということだ。
困った時に、いるかいないかはっきりしないものに頼っても解決しない。場合によっては手遅れになる。
それで後悔するんだったら、思考を止めず、まずは自分で出来ることを探す。それでも駄目なら誰かに、実在する人間に助けを求める。
勿論それでも解決しない問題だってあるだろうけど、その時は、もう一度考えてそれでも駄目なら諦める。
それで大切な何かを無くしたとしても、神頼みしかしなかった場合よりも遥かにマシだ。
俺はそう教わったし、俺自身そう、思う。
