「まあまあ。どうせあと2時間で授業終わるし」
「…黙れ諸悪の根源が」


そもそも皆が俺の弁当を狙い始めたのは、彼女のせいなんだ。
彼女がいち早く俺の弁当に興味を示し、それが俺の手作りだと知って騒ぎだし、そして勝手におかずを食べ更に騒いだのが原因。
皆が群がっている最中もちょこちょことつまんでいたみたいだから、多分彼女に半分近く盗られたんだと思う。


「もー、機嫌直して」
「………」
「紡君?」
「………」
「むー。仕方ないなぁ」


彼女の行動、言葉が頭にきた俺は、机に突っ伏し彼女の言葉を無視していた。
自分でもガキらしい行動だとは思うが、反省が全く見えない彼女を相手にしたくなかった。