「正解でしょ?わかるんだ。いろんな人を見てきたから」
「お前…いったい…?」
「あいにく、友達でもない人に自分のこと話せるようなお人よしじゃないの。私」
「………」
そう言って悪戯な笑顔を浮かべる彼女。その笑顔もどこか魅力的で、思わず見取れそうになる。
気になった。彼女の事が。
今まで周りにいなかったタイプの女性なのと、俺の内心を言い当てた、という二つの理由で、とても彼女のことが気になってしまった。
人と暫くは関わりたくない。そう思っていた俺が、あっさりと彼女のペースに巻き込まれていく。
「ほら、紡君」
目の前に出される手。
距離はついに0。完璧に机がくっついていた。
