「亜弥ー、起きろー!」
「……ん…?」
「亜弥、授業中に寝てたでしょ」
夢を見た。
一年前の、あの桜の木の下の出来事のことだった。
私とサクが、桜の木の下で笑ってた。
「……おーい、亜弥?」
「あっ、ごめん! 優奈、起こしてくれてありがと!」
「いや、いいんだけど。 それより、お弁当食べよ?」
「うんっ」
お弁当ってことは、私って何時間寝てたんだ?
授業を受けた記憶があるのは1限だけ。
ってことは3限、寝てたな私。
「亜弥さぁ、何の夢を見てたの?」
優奈がお弁当を食べる用意をしながら私に尋ねる。
「え、何で私が夢を見てたの知ってるの!?」