男の人たちが眠る中、私は何も着ていないまま
逃げ出した。
怖くて、早くそこから逃げたかった
真夜中。私は暗い、たくさんの倉庫が並ぶ道を
ただ、ただ道もわからないまま走りだした。

「海?」
私が走りついたのは海だった。
そっか、海沿いの倉庫にいたんだ。
砂浜に降りてぼーっと海を眺めた

私の頭に今日のことがフラッシュバックしてくる。
思い出すたびに気持ち悪くなる。
あ、そっか、わたし、涼に裏切られたんだ。
私には涼しかいないのに
今日めっちゃ楽しみにしてたのに
髪もメイクもぐちゃぐちゃで、涙の跡が
きっとくっきりなってるんだろうな..
何か…バカみたい。
じんわりとまた涙がにじむ。
視界がぼやける。
「...っうぅっ、ぐすっ。うぅー..」
大粒の涙が流れる
止めようとしても止まらなくて
止まらないのならこの際泣いちゃえって思って
私は誰もいない無人の砂浜でしばらく泣き続けた。