笹原さんは続けた。
「貴女は宏人様とお話をよくしますでしょう?なら、ファンクラブに入って下さい」
そういってあたしの目の前に会員登録書的な紙を出してきた。
「残念だけど、お断りするわ」
すると、彼女はニヤリと笑った。
「それは、一生宏人様と話さないということですか?」
「いいえ。彼とは席が隣ということでたくさん話すよ」
「それはクラブを目の敵にするようなものですわ」
甲高く笑う彼女は悪魔そのままだった。
はっきり言って目の敵にされるのは恐い。
トラウマだし、いじめられる度に崇のことを思い出してしまう。
でも、同居している限り無理だ。彼女にあたしの人権をとる権力はない。
「とにかく、あたしは入らないから」
「そうですか…」
楽しそうに、嬉しそうに笑う笹原さんを見て鳥肌がたった。
「クス。それではごきげんよう」
そしてそのままスーパーから出て行った。
「ふぅ…買い物しよーっと」
あたしはなんとなく呟いた。

