「あ…っ」
「こんにちは。私、笹原華恋ですわ」
笹原華恋さん…
今日のメイクはいつもより酷いくらい濃かった。
「こんにちは。買い物?」
「ええ。宇佐見さんも?」
「そうよ。でも、まだ献立を決めていないまま来ちゃったの」
「まぁ、そうですの。今日はお肉がお安いのよ」
笹原さんの口調はとても品があって、あたしとは大違い。
きっとメイクさえ直せばモテるだろう…
「じゃあすき焼きにしようかな」
「いいですわね!そうだわ、私、宇佐見さんにお話ししたいことがありますの」
優しく微笑んだ彼女はとても綺麗だ。
でも、その微笑のどこかに妖笑が感じられた。
あたしの気のせいかもしれないけど。
「話したいことって何?」
「私、宏人様のファンクラブの会長をつとめてますの。クラブのルールで宏人様と話すためには私の了承が必要なのですわ」
それって自分勝手じゃない?
人権考えろよ。性悪だな。
口に出さないけど。
そんなあたしも性悪か?

