「美恋~ご飯食べよ?」
裕香があたしの席にやって来た。
え…ご飯??
もしかしてもうお昼!?
嘘でしょ…あたし、授業中ずーっとボーっとしてたのか。
そうだ、新君に教科書見せろとか言われたな。
「うん、食べよう」
「にしても、王子人気ねぇ~」
「王子?」
「新宏人君よ!もう明日にはファンクラブが出来てるんじゃない?」
ははー、あの人が王子ね。
どこがよっ!裕香に言おうかな~
あーっ、でも、言ったら怒られるかな?
でも、やっぱり「ちょっと美恋!聞いてるの!?」
「へっ?ご、ゴメン。何?」
全く聞いてなかった…
「だから、運がいいわね。王子と隣だなんて」
羨ましいわ~と言う裕香。もしかして好きなのかな?
「好きなの?新君のこと」
「違うよ、ただのファンよ」
ファンですか…

