優梨は俺に向かって歩いてきて


理事長室を知らないかと聞いてきた


初めてだった
俺に怖がりもせず、媚を売ってきもしない女は


しかも俺のこと知らないとか言いやがった


鬼神を知らないやつなんてこの学校には
いねぇと思ってたから驚いた


暴走族のNo.1は鬼神だ


それは全国でも有名な話


なのに優梨は知らなかった


俺は優梨の背中を見ながら笑った


今思えば久しぶりに笑ったと思う


俺はあの時から優梨に興味を持ったんだ