私の存在価値なんてものは、最初から、存在しなかったんだもの。 その事に、悲しいなんて別に思った事はなかった。 思ったって仕方ない事だもの…。 だけど、香輝は私と違って望まれた子…。 「香輝…助けて……歩望…さん……」 小さな祈りと小さな声。 私の隣りにいた先輩に聞こえているなんて、思ってもみなかった。 ********** 「……………里莉? 落ち着いたか?」 病室に近いベンチに座って、どのぐらい時間がたったのか分からなくなった時、先輩の優しい声が耳をくすぐった。