「学生だから、髪の色だけは変えなかったわ。…まぁ、変えなくても十分キレイな髪質だったしね」





マキさんの言葉が頭の上を通り過ぎていく。

長かった髪が、バッサリ切られただけでもショックだったのに…さらに短く切られて…髪を括る事だけしか首を出した事がなかったのに…。




や、やだ…恥ずかしい…。




首がスースーするし、頭は軽い。嫌な事ばかりだわ…。




「どうしたんだよ里莉」



太一君が私の髪を切ったハサミをキレイにしたり、化粧筆をふきながら笑うだけでマキさんに意見を言うとかしない。





「に、似合わないよ…こんなの…。お化粧なんて…特に…」