………私もちょっとぐらい引き止めて欲しいなぁ…って思ってたんだけど、あっさりと送り出されちゃった。
何だか、寂しいな…。
「…ちょっとガッカリ？」
「せ、先輩!?」
意地悪そうに笑う先輩に私は、一気に頭へ血が上ってしまった。
「い、意地悪!!」
「可愛いお誘い文句ありがとう」
チュ。
唇に柔らかくて暖かい何かが軽く重なった。
「え？」
「たまにでいいから、里莉からのキスが欲しいな」
「え？」
「キスだけじゃなくて…『好き』って言って欲しいな」
上昇したまま、熱が下がらない状態で先輩の冷やかしが始まってしまった。
