手紙を読み終えた私は、お父さんが私を見て複雑な顔をする理由がようやく、分かったような気がした。




私が疎ましかったんじゃなくて、ただ不器用で育て方が分からなかった人なんだ。





私の幸せを望んでいた。血が繋がらないのに、ずっと側にいなかったのに気にかけてくれたんだ。




そう思うと、嬉しくて涙が止めどもなく溢れて嬉しかった。



「昨日、親父の書斎からこれを見付けた」




泣き終える頃に、兄さんから一枚の紙を差し出された。




私は泣きすぎて、ぼやけた視界で必死に凝らしたり、眼鏡を外して零れた涙を手の甲で擦って拭き取る。




ようやく、涙が止まって渡されたものを見た。








「…これ…」





私の記憶の中より若く、さっき見た写真の人物より少し老けた…でも、見てすぐに分かった。