けど、すぐに追いつかれちゃった。だって、私の背中はもともと本棚に寄り掛かってた訳で…。



追い詰められた私は、先輩の横から逃げようとしたが、これも無理だった。

顔スレスレに、先輩の両手で封じられて逃げる事を許されなかった。


顔は笑ってるのに、何か怖いオーラを感じるに近くて…目が笑ってなくて…。私は確実に恐怖を煽らせるようなものだと思った。



「ど、どいて下さい…」

「…やだ」




耳元で喋る先輩の声に背筋が、ゾクリと身震いするのが分かる。



「こ、困ります…」



男の人に触れる事が出来なくて、私は小さい体をより小さくして震えるしか出来なかった。



目の前の男の人が学校内で、かなり有名な人で…。もちろん、悪い意味でだ…。