「里莉は、俺とは血は繋がっていない。…一滴も…」
頭の中に残る兄さんの言葉が離れない。
血が繋がらない私をどうして櫻井家に連れて来たの？ 分からない。兄さんが…お父さんが分からない。
ポツポツと降っていた雨は、今では土砂降りに変わってる。
目まいで倒れた私が、次に目を覚ました時に聞こえて来たのは兄さんのあの言葉だった。
どこかの医務室なのかと思いきや、ここはたぶん新堂先生の勤める病院だわ。
目を覚ましたと言っても目を閉じたまま、意識を取り戻して脳だけが動いているって感じだから、見た目はまだ寝ているように見えているはず。
けど、そのせいで聞かなきゃよかった事を聞いてしまって私は動揺してしまって泣きそうになる。
