何でバレるバイトにしたんだって、何度も反省して自分を責めた。


けど、別の所だと…。



「…よぉ」


背後からかけられた声に、私は死刑を言い渡された気分になる。

逃げられない。



後ろを振り返れば、楽しい事を思い付いたような顔で私を見下ろしていた。



「里莉…何でバイトなんかしてんの?」

「…………別に…理由なんて…」


間近に顔があった事に驚き、私は慌てて顔を下に逸らした。だって、ありえないじゃない。


私みたいな地味な女に、女関係が激しいとは言え学校でかなりの人気を誇る先輩が、私に声を掛ける事なんて絶対にあるわけないじゃない。私自身それをよく分かってる。


「…別に…ねぇ。んじゃ、俺が生徒会とか教師に言ってもいいんだ」


「そっ、それ…は…」



痛い所を突かれた私は、何も言えなくなって押し黙る事しか出来ない。

バイトの事がバレたら最悪、学校を退学させられちゃう。