異母兄弟で一番私が劣っている事を皆が知っていても、兄さんは気にしておらずに優しく私に接する…そう、人の前だと…。



初めて会った時は、救いの手だと信じていた…あの手…今の私は恐怖でしかない。


…けど、その手に縋りついているのは…私だ…。



滑稽だわ。

矛盾してる。

哀れすぎ…。

それは、自分が愚かだから…。




「…ごめんなさい……」

「香輝の具合は、まだ、何とも言えないらしいな」


「……はい」


「明日は見舞いに行く。お前も一緒に行くか?」



兄さんの言葉に私は、驚いて顔を上げた。