「……もう、ちょっとだけ待ってて」
呟くように小さい声でそう言うと、頭の中に色んなことが思い浮かんでくる。
…泣きそうになるのを堪える。
もう前に進むって決めたんだ。
川杉の驚いたような照れたような表情を見て、あたしも少しだけ嬉しくなったのは確かで。
川杉の表情を見て、これから自分が前に進めるような気がしてきたんだよ。
「…帰るか。送るな」
観覧車を出て、少ししてから川杉がそう言った。
「本当は帰したくねぇんだけどなー」
冗談っぽく笑って一瞬だけあたしの肩を引き寄せる。
「調子乗んなっ」
「調子乗りたくもなるな、あんなこと言われたら」
ベーと舌を突き出してバカにするような表情を見せた。それにムカついてあたしも同じ表情をしてあげた。

