「ハルちゃんハルちゃん。一緒に帰ろう」
不意に後ろから声を掛けられて、ビックリして後ろを振り向くとそこには川杉がいて。
「…うわ、なにその顔。俺で不満か」
「……全然。一緒に帰ろうなんて珍しいね?逆方向なのに」
「バレた?ちょっとハル口説こうと思って」
「軽いなぁ。他所当たってよ、川杉モテないわけじゃないでしょ」
そう言うと、川杉がヘラヘラ笑って「モテないよ、全然」なんて嘘吐いた。
「嘘つきだね川杉」
「なにが。どこが」
「もう家着くから川杉Uターンして」
そう言うと、分かりやすくムスッとした顔をした川杉。