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4限目開始から30分後。


3-Aの教室にひっそりと近づく1つの影があった。



からからと、誰もいない教室のドアを開く音が響く。


まっすぐ窓際まで進むと、1つの机の前で足を止めた。



にやりと微笑んで、制服の内側からシンプルな手紙を滑り込ませる。



その瞬間である。



「…………っつ!?」



音のなかった教室にカシャッ、と機械的な音が響き渡った。



「残念だったな。犯人さん」


「証拠は、王輝がカメラにしっかりとおさめさせていただきましたわ」



勝ち誇った笑みを浮かべる2人の目の前で、がたんと崩れ落ちる音が響いた。