王姫の仕事を終えた姫羅と王輝は、いつものように2人でソファーに向かい合った。



目の前のテーブルには、府林透、芝麻唯、宇率来女のノートやメモなどから見つけてきた文字のサンプルが並んでいる。



部活の時間までを利用してできるだけ多くのサンプルを用意してきた2人は、それらをじっと見つめた。


横には、安出に宛てられた手紙のコピーも並んでいる。



「これで、全て揃いましたわね」


「あぁ。あとは、こいつらの筆跡を調べて、手紙と比べるだけだな」


「えぇ。しかし筆跡など、どのようにして調べるのです? まさか、自力で見比べる……わけではないのでしょう?」



姫羅が、ソファーの背もたれに身を預けながら言った。


ぽふ、っと埋まった体からは、この2日間の疲れが見られる。



さすがの姫でも、いきなり水泳ってのはキツいか……ーーーー



長時間水中にいることは予想以上に体力を消費するらしい。


他の部員と比べれば練習メニューも多少配慮されているとはいえ、慣れない環境での練習は辛いのだろう。