両親こそ主従関係にあるが、王輝と瑠はもともと友人同士である。


幼ない頃から一緒に過ごしてきた2人にとってみれば、お互いにからかい合うことも日常茶飯事だ。



「あ、そういえば、姫はどんな感じなの?」


「姫?」



首を傾げた王輝を見て、瑠が信じられない、とでも言うように目を見聞く。


それに合わせて両手を思いっきり左右に開げた瑠に、王輝が溜息を吐いた。



ここはアメリカかっての……ーーーー



「ちょっと!姫と言ったら、乙戯学園の姫・亜須賀姫羅しかいないでしょ! 水泳部に仮入部したって、全校生徒の噂だよ?」



瑠の話に、「あぁ」と相づちを打った王輝は、口を開いた。



「どんな感じ……って言われても……ね」


「やっぱり、素の王輝の前でもあんな風に強気な感じなの?」