翌日の放課後、王輝は瑠を訪ねた。



料理部の活動は、ミーティングと調理実習の間に、いつも1日の休みをはさむ。


そのシステムに何の効果があるのかは、成績の良い王輝にもわからない。



あの甘ったるい空間に浸るよりはずっとマシだな……ーーーー



そう思って軽く頷いたタイミングで、王輝を呼ぶ声が聞こえた。



「王輝!遅かったんじゃない? もう少し早く来ると思ったよ」



にっこりと笑う瑠の明るい声が響く。


その爽やかさが、人工芝の鮮やかなグリーンが広がるグラウンドにとても似合う。



高い身長とやわらかな性格が際立っているからか、人気があることにも頷ける。



「ちょ、ちょっと、ホームルームが長くなっちゃって……。ごめん……」



「いいよ。そんなこと。それよりあそこだよ。王輝の『お目当ての人』は」